バナナの黒いとこ

ハイドロポンプの略称はドロンプ派です

後半

8月といえど湖岸の夜は風が心地よく、4時間ナイトランした身体を休めるのには充分だった。古谷さんとはここでは書けないような話もしたがサイクや就活の話題で2時間以上話し込んでいた。同会とは差しで喋ることはしばしばあるが、先輩と長い時間話すというのは久しぶりだったので時間が過ぎるのがとても早く感じられた。途中で何度か高階さんが寝付けないということでタバコを吸いに来たりしたが結局僕らが寝るタイミングで快活に避難された。以前高階さんから野宿初日は寝れないという話をしていたことを思い出した。僕も割とその質でプレ2日目は寝不足で迎えしんどくなりがちなので勝手に同情していた。とか考えながら久しぶりの銀マットに横になっていたら段々空が明るくなってきた。
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流石に疲れたし寝れるやろと慢心していたのがフラグだった。何度も寝返りをうって体勢を変えたり羊を数えたりしたが一向に寝付けないうえに朝日が顔に差すようになってどうしようもなくなった。しょうがないので寝袋を顔に被って目を瞑ったら少しではあるが寝付くことができた。


と言っても1時間程で目は覚めてしまいゴロゴロしながら先輩らが起きるのを待った。僕は人よりも睡眠が浅く神経質な方なので割と複数人で野宿したら最初の方に起きることが多い。なので人が起きるのを待つという行為自体が好きだったのだが、テントを使い始めてからその快適性に依存してしまうようになりよく寝る人になってしまった。この時久しぶりに昔のスタイルで寝たおかげで待つ時間を味わえていい体験ができた。いひとさんは既に起きていて僕は1年ぶりの再会だったので色々話していた。その後程なくし他の人達も起きてきたので朝飯を食いに移動した。
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将来大津に住むことがもしあったらここの湖岸にあるマンションに住みたい


49期の先輩とは合宿にも3回行かせてもらったがそこに47期の先輩が加わると断然新鮮に感じた。高階さんとは1回の冬一緒に大垣まで走ったりしたことがあったが、秋合宿に行けなかった僕はいひとさんと西田さんと共に走るという経験が無かったのでこの時は高揚感でいっぱいだった。それに加え自分が1番下という状況も久しぶりで1回生のような気分だった。


マクドで班決めをしてネカフェに避難した高階さんを待っていた連絡がつかなかったので先に重政さん古谷さん僕の3人で走ることになった。起きてこんやつがおったら49期なら置いていく、50期なら...みたいな話をした。実際に僕らならどうしただろうか。この時は待つと思いますよと返したが僕が当事者になったら置いていかれそうだ...


早速北海道合宿でありそうで無かった班の3人で走り始めた。当然のように時間は既に昼前で暑さはどんどん勢いを増していった。それに加え堅田まで渋滞が続いており走りにくいこと極まりなかった。滋賀県民自粛しろよみたいな話をしたが県を跨ぎまくっている僕は何も言えなかった。渋滞をぬけるとスムーズに走れるようになったが突然始まるアップダウンと暑さにやられてこの時トップをしていたというのもあってしんどかった。流石に休憩したいと思い適当な信号で止まって涼める場所を探した。丁度いい所に水が流れてる側溝があったので暫し休息した。
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普通に遠い敦賀

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自販機を探していたらちょい遠くにあったけど自販機ありましたよとだけ伝えたら先輩2人ともかなり歩かせてしまった

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相変わらず人も車も多い


その後10km程走って平和堂の中にあったココスに入った。ここも繁盛しており滋賀県民の素性が伺えた瞬間だった。ハンバーグかなんかを食べたが疲れすぎて味は覚えていない。席を立つ時に重政さんがめさどく落ちてた500円を拾っていた。当時諸事情から現金に飢えてた僕はくださいと言いそうになったが自重した。その500円で冷凍のペットボトルを買ってもらいダラダラした。ここで49期特有のチキンレースに巻き込まれることになった。

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サイクの人とおると普通にこういうスーパーの前の地べたに座ってまうけど絶対邪魔


ちょうど時期を同じくして47期班が僕らに追いついて平和堂の向かいにあった道の駅に着いていた。ここで合流して最初に決めた班で敦賀を目指すという感じになるのかなと思っていたら先輩2人は向こうが来るまで動かないという姿勢を一切崩すことなく耐久戦が始まった。結局向こう側が先に出発するという形で一方的に負けを受け入れ僕らも走り始めた。古谷さんは輪行するという事だったので重政さんとのペアランが始まった。47期班に追いつくべく30km前後でガチ漕ぎした。路肩は広かったがバイパスみたいな道で合流がある度神経をすり減らしたこともあり2人ともマキノのセブンに着く頃には抜け殻みたいになってた。結局47期班とは違う道を走っていて合流せずにいつの間にか抜かしていた。

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まだこの時点で半分

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会長のエリート塩

マキノからは県境の峠に差し掛かる。もう日も暮れ始めていたので早速登り始めた。途中で休憩していたら47期班に抜かれてしまったので追いかけた。ここで47期の真骨頂が見えた気がした。ずっと喋りながら峠を登る人を初めて見た。しかも全くしんどそうな素振りを見せることなくすいすい登っていく姿に圧倒されてしまった。この人達には一生追いつけん気がした。引っ張ってもらったおかげで割とあっという間に頂上に着いた。ここは新宅さんのルビィちゃんポーズが誕生した聖地なのできちんと刻んでおいた。
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自走で初福井
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反対側

重政さんと2人でキモチェ〜と言いながらKOOLをふかした。正直峠の頂上というシチュエーションに敵う場所はないしこのためだけに吸ってるまである。流石にもうやめます値上げするし...


先に出発した47期班を追いかけると直ぐに自転車が止まってるのが見え僕らもそれに倣うと道のすぐ横の川で当然にように水遊びをしている成人男性らの姿が見えた。たまたま近くにいた軽トラのおばあちゃんにめっちゃ見られていた。僕らも無視する訳にもいかないし何なら水浴びしたかったのでそれに混じった。合宿中の川と言えば単純に流されたり団Tを流されそうになったりとあまりいい思い出がないが、この時は浸かっているだけで充分楽しめた。
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ただでさえ涼しいのに全身濡れると寒い

僕らの代は川とか海に入るのがめんどいとかぬかしてはすってる層が一定数いるので彼らにはこの姿を見習って欲しいものである。
しばらく遊んで流石に日が暮れるのでまた下り始めた。着替えを一日分しか持っていなかったので着替える訳にもいかずずぶ濡れのままサドルに跨った。1桁国道8号線でも車通りは少なく快調に降りることができ、着ていた服も直ぐに乾いた。気候といい風の感じといい有馬の下りが思い出されて1人おセンチになっていた。敦賀の街が見え始めた辺りで黄昏が良い感じになっていたので止まって写真に収めた。2年前の夏アフターでも去年の夏アフターでも夕焼けが綺麗に見えていたことも思い起こされこれまたおセンチになった。
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街に入ってすぐのファミマで後発した先輩らを待っていた。僕は数時間後の電車で帰る予定だったので重政さんにこれからの旅路について労いの言葉をかけた。20分ぐらい待って先輩らが追いついた。なんでもずっと登ってる途中に探していた滝が下りの途中にあってそこでまた遊んでいたらしい。しかもいひとさんのサンダルが片方流されそのまま裸足で乗ってきた。色々めちゃくちゃすぎるので何とも言えなかったが僕も川で幾度となく靴を流されそうになってるのでしょうがないなと勝手に納得した。いひとさんは片方裸足のままファミマに入店して僕の晩飯を買ってくださった。後にも先にもないシチュエーションやろうなと思いながらありがたくいただいた。ありがとうございました。
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また2人で風呂に向かって走り始めたが先輩が携帯を置いてきたと言って取りに戻ったのでラストは1人で風呂屋に直行した。すっかり日も暮れてしまい一気に寂しくなったが、風呂やで古谷さんと再会して安堵した。古谷さんは暇すぎて既に別の風呂屋に入ったらしくそれでももう一度僕らと一緒に入ってくださるということで僕も嬉しかった。西宮を発って24時間、流石に疲れ切っていたので風呂は最高に気持ちよかった。特に露天風呂で先輩らと道中の思い出を語らいながら疲れを癒す時間はやっぱりいつになっても至高やなと再確認した。電車の時間があったのでギリギリまで入りつつ別れの挨拶をして風呂を出た。

この短くも長い1日のおかげで全てが救われた気がした。先日行った後輩とのアワイチも含め僕にはやはりサイクしかないと確信を持った。あと1年と半年しか残っていないけど終わらない青春を追い求めたいです。